僕は高校時代演劇部だったのだが、現代劇というものがどうもニガテだった。日常を切り取った劇なのだから、演じられるはずなのに無理だったのだ。
・・・僕らの時代の演劇部が演じていたのは、ファンタジー。マントヒラヒラで木刀で本気のたちまわりをしていた。・・・僕と先輩とのたちまわりはぶっつけ本番。普通はダンスのように決めるんだけど、
「迫力がなくなるから、ダメ。本気でやっても大丈夫なメンバー」
の筆頭に僕の名前があったのだ。まあ色々な因業ってカンジで・・・。はい。
僕にとって今の人生は、『悪夢』であり、舞台である。
この舞台をどう演じきるか。それだけが僕にとっては『人生』なのである。悪夢でしかないこの人生もいつか終わる。とT先輩に言われたのだが、確かに。
魂さえもいつかは砕け、時の川に流される。その時まで永い時を自分なりに消化していかないとダメなんだよなぁ・・・。なんて考えたりする。
まあ現実味の無い僕にとってのこの悪夢もいつかは終わる。
そしたら昔みたいに月の綺麗な空をどこまでも飛びたい。自分の翼で・・・。
・・・いつか人ならぬものが迎えに来ると小さい頃信じてたのになあ・・・。